会社情報お知らせ(プレスリリース)

2014年7月24日

東レ建設株式会社

「新たな農業」を軸とした事業の創出
建設ノウハウを活用したトレファーム®の展開

 東レ建設株式会社(本社:大阪市北区、代表取締役社長:冨山元行/以下、東レ建設)は、高床式砂栽培農業施設 トレファーム®を本格的に展開します。 トレファーム®は、これまで培ってきた建設技術と東レグループの素材を活用して、東レ建設の協力会社である(株)茂広組と共同で開発しました。
【プランター及び農業用ベッド:2014年1月特許取得】
トレファーム®は建設現場で使用する足場材を利用することにより、高低差のある土地にもそのまま敷設でき、農業には不向きな悪条件の土地でも最大限に農地として有効活用することが可能となります。また、農業用ベッドの高さは自由に設定できることから農作業者に合わせた作業環境を提供することができる人に優しい農業施設です。
 現在、(株)国際電気通信基礎技術研究所・(株)ATR-Promotionsへ技術提供し農業研究すると共に、双日株式会社(以下、双日)と業務提携を結び、双日が2014年4月1日に設立した農業法人「株式会社マイベジタブル」にて本農業施設導入の実績を積み上げています。今後、更に異分野の企業・大学・福祉関連団体とも連携し事業の拡大を進めてまいります。  今後も個人・民間・国の各レベルで早急な対応が求められ重要課題である「農業」を軸とし、同じく重要課題のひとつである「福祉(高齢者・障がい者)」、「自然エネルギー(発電)」のテーマへも取り組み、新たな農業の形を提案してまいります。

■トレファーム®

トレファーム®の全景

トレファーム®の農業用ベッド

■トレファーム®の主な設備

角パイプ型ハウス

建設用の鋼製材30~50mmのパイプを使用しているので、水・錆・腐食に強く長持ちします。

遮光カーテン

センサー設置によりハウス内の温度を感知し、必要に応じて自動的にカーテンを開閉します。

ハウス用足場

業用ベッドを2段に設置した時には、専用の足場を用意。建築現場で用いた技術を使用しているため安心です。

電動換気ファン

ハウス内の空気を循環させ、適切な栽培環境を作りだします。

自動灌水装置

受水槽から水を取り込み、適切な水量で液肥を希釈して点滴灌水を行います。調節量はコントローラーパネルで行います。

灌水チューブ

自動灌水装置から送られてくる水(液肥)をチューブから適切な量で散水します。

 トレファーム®とは、これまで日本の農業で主流となりえなかった「砂栽培農法」のための農業施設のことで、高床式栽培法には必須となる農業用ベッドを、建設現場で使用する足場の技術を活用した「高床式農業用ベッド」として2014年1月に特許を取得しました。この特許を活用したトレファーム®は土耕・水耕栽培にない多くのメリットを打ち出すことが可能となります。

<主なメリット>

○高床式農業用ベッドにより、腰をかがめず作業が楽
○農業機械を使用しないので安全・安心
○自動灌水で軽作業、肥料のムダが無い
○初心者・高齢者・障がい者の方も容易に簡易作業が実現(ベッドの高さ調整可能)
○悪条件地でも土地形状はそのままで、地形に合わせて設置することが可能
○農業に適さない痩せた土地、耕作放棄地や震災塩害農地でも活用できる
○水耕栽培・土耕栽培に比べランニングコストが安い
○高床式農業用ベッドは2段積みが可能(狭い敷地での有効活用)

車いす作業が実現

ベッドの高さ調整が可能

あぜ・法面を含めた土地活用

高低差のある土地でも水平に敷設可能

 以上のメリットを生かすことで個人・民間・国の各レベルで早急な対応が求められる諸課題に対し、異業種・異分野の企業・団体とも連携し取り組みをはじめました。
①「福祉(高齢者・障がい者)」への対応"農福連携"
②「自然エネルギー(発電)」の活用"農電連携"
③ 高齢社会における新たなライフイノベーションに向けた研究開発"農脳連携"

高床式栽培農業施設 トレファーム 概念図

トレファーム®が提供する高床式砂栽培農業

「どこでもできる」「だれにでもできる」「環境に負荷をかけない」をキーワードに安心・安全な作物を安定的に供給

培地を土の代わりに砂(川・海・山)とし液肥(窒素・リン酸・カリウム)を注いで作物を育てる砂栽培は「土づくりや砂の入れ替えが不要」・「ランニングコストが安い」・「連作障害が殆どない」・「生育の高速化」・「作物の味や鮮度の向上」などのメリットがあります。当社は高床式農業用ベッドを建設会社としてのノウハウと建設資材の応用で安全性・耐久性を格段に向上させ、農業の軽作業化や作物の通年での安定栽培を実現します。

※農業法人「株式会社マイベジタブル」を設立(2014年4月1日)した双日と業務提携を結び、国内農業事業(全国の都市近郊に約20haのトレファーム農場を確保し通年での生鮮野菜を供給)を共同で推進中です。

"農福連携" 高齢者・障がい者が日本の農業を再生

腰をかがめず農機具を使用しない軽作業なので楽で安全です。高齢者・障がい者(車椅子でも可)の方々の新たな雇用の場を創出します。また、就労支援事業やリハビリ施設としても活用することができます。

トレファーム®と太陽光発電の設置イメージ

"農電連携" 農地・耕作放棄地を活用し国のエネルギー政策へ提案
農地・耕作放棄地を有効活用し、農地には単独で設置が認められていない太陽光発電パネルを栽培に影響しないよう照度を確保しつつ設置することで、トレファーム®と太陽光発電との相乗効果での普及を図っていきます。

"農脳連携" 農業とICTとの連携による新たなライフイノベーションを探求

「農業と脳の関わり」について脳情報科学の最先端企業(株)国際電気通信基礎技術研究所(ATR)・(株)ATR-Promotionsと連携。
農業による脳の活性化や高齢者や障がい者のライフサポート、農業クラウド(遠隔監視システム等)技術など新たなビジネスの構築に向けたATRの研究開発をサポートしていきます。
※ICT・・・Information and Communication Technology(情報通信技術)

東レ建設は高床式砂栽培農業施設 トレファーム®を通して、日本の農業を支えていきます。

・高齢者の方々がいつまでも働ける
・障がい者の方々が健常者の方々と一緒に雇用される
・作物を育てることで健康な心を養い生き生きとした(老後も含めた)生活の場を創出する
・食の安全を確保しながら地産地消の新鮮でおいしい採れたての野菜を安定的に供給する
・自然エネルギー(太陽光発電)を推進するにあたって耕作放棄地や農地を活用する
・未だ塩害で再開されない東北地方の被災地の農業を復興させる
・過疎の進む農村で農業を軸に据えた村おこしをする
・市場の動向を見据え生鮮野菜をタイムリーに栽培する

東レ建設がこれまで培ってきた建設技術を最大限に生かし、日本を取り巻く喫緊の課題、とりわけ「農業」「福祉(高齢者・障がい者)」「自然エネルギー」のテーマに目を向け、同じ志を持つ農業分野の企業・団体とも連携し、トレファーム®による「新たな農業」を当社は課題解決のツール(手段)として積極的に提案・推進してまいります。

【施設概要】

1.名  称:

トレファーム® TOREFARM

2.施設構成:

高床式砂栽培ベッド、チューブ点滴式灌水装置、軽量鉄骨造農業ハウス、換気装置

3.栽培品種:

葉菜類(青梗菜、小松菜、リーフレタス、バジル等)
果菜類(ミニトマト、ラディッシュ、フルーツピーマン等)
その他 天王寺蕪、難波ねぎ等の伝統野菜、朝鮮人参、メロン等

4.設置例(一反モデルケース標準仕様での試算)  参考価格:坪12.5万円~

高床式栽培農業施設 トレファーム 概念図

※一次側電力、給排水接続工事、敷地造成は含みません。(現地状況に応じて別途加算)

5.オプション仕様:

温度感知センサー付換気装置全自動制御、2段式栽培ベッド

6.年間売上見込:

2014年度5億円、2018年度までに累計100億円を見込む

【収穫作物事例】

高床式栽培農業施設 トレファーム 概念図

以上

  • 今までにない感動を。新しい価値を創造する、東レ建設。