建設事業建築技術(共同住宅)
品質管理
当社の分譲マンションは、工事着工からお客さまへのお引き渡しまでの各工程において、建物の品質を確かなものにするため、厳しいチェックを行う体制を確立しています。
品質管理体制
基礎工事・躯体工事から各種仕上げ工事のあらゆる段階で、東レ建設、工事施工者、設計者、工事監理者、行政機関、確認検査機関や住宅性能評価機関といった第三者検査機関など、さまざまな視点による品質管理体制によって入念なチェック(中間検査)を実施いたします。
各検査者の役割分担
- 工事施工者
- 工事施工者は、工事請負契約書に定められた工期と金額で、設計図どおりの建築物の工事を実施する役割を担っています。また、施工管理者として、施工の品質、工程の進捗状況、各専門業者の管理等を行います。
- 設計者
- 設計者は、建築工事に必要な情報が記載されている設計図書を作成する役割を担っています。一定の建築物の石器は建築士の独占業務であり、資格者として責務を負っています。この設計者の作成する設計図書に基づいて、工事や工事監理が行われます。
- 工事監理者
- 工事監理者は、設計図面どおりに工事が行われているかを確認し、不具合の発生を未然に防ぐ重要な役割を担っています。一定の建築物の工事監理は有資格者である建築士の独占業務であり、設計者が担当することもあります。
- 第三者
検査機関 - 第三者検査機関とは、行政または民間の指定確認検査機関、および指定住宅性能評価機関を示しています。設計図面の段階で「建築確認」・「設計住宅性能評価」、工事の段階で「中間検査」・「完了検査」「建設住宅性能評価」を実施します。
品質管理の流れ
品質を確保するために
構造
地震大国と呼ばれる日本において、堅牢な構造と建夫のを支える基礎はとても重要です。また、ひび割れや錆びなどの劣化を抑えるための対策も行っています。
建物を支える地盤調査と基礎設計
■地質調査
いくら強固な基礎を構築しても、基礎を支える地盤が軟弱では建物の強度は保てません。そこで基礎工事においては、「支持層」と呼ばれる強固な地盤を探すことから始まります。「標準貫入試験」「土質の検査」などの地盤調査(ボーリング調査)を綿密に実施し支持層となる強固な地盤を割り出します。
■基礎構造
地質調査に基き、最適な基礎構造を選定。一般に硬い地盤(支持層)が深い場合は杭基礎を、浅い場合は直接基礎を採用します。(地盤の状況によっては異なる場合があります。)
※おおまかな構造の概念となります。
※物件によって詳細は異なります。
永く暮らすために、見えない部分にも安心の品質を求めて
コンクリートの耐久性能
■劣化対策等級「3※1」を取得
今やマンションは将来の住み替えを考えずに、永住する志向が強まってきています。そこで永住に耐える構造体の耐久力を高めた設計としました。建物そのものを構成する「コンクリート」の劣化対策を入念に計画し、住宅性能表示の劣化対策等級における最高ランク「3」を取得しています。
※附属棟・外構を除きます。 ※1 住宅性能表示に基づく等級です。
住宅が限界状態に至るまでの期間 | 基準 | 品質基準強度で比較 | 条件 | |
---|---|---|---|---|
等級3 | 3世代 (概ね75~90年) |
水セメント比50%以下 ※2 | Fq=30N/m㎡相当以上 | 通常想定される自然条件及び 維持管理の条件の下で 限界状態に至るまでの期間 |
等級2 | 2世代 (概ね50~60年) |
水セメント比55%以下 ※2 | Fq=27N/m㎡相当以上 | |
等級1 | - | 建築基準法に定められている対策が講じられている | 劣化軽減に関係するものに限る |
●住宅性能表示 劣化対策評価基準
※2 JASS5最小かぶり厚の場合
■水セメント比50%以下
コンクリートの耐久性を高めるために、水セメント比を50%以下としコンクリートの乾燥収縮を低く抑えています。また、建設現場において納入されるコンクリートを採取しフレッシュコンクリート試験を実施し、品質管理を行っています。
※杭・附属棟・外構の一部等を除きます。
■高い強度のコンクリート採用【27N/mm2】
1㎡あたり約2,700t(トン)の圧縮に耐える強さを持つ、27N/mm2(設計基準強度Fⅽ)以上の強度のコンクリートを採用しています。
※杭・附属棟・外構の一部等を除きます
※実際に床にのせられる荷重とは異なります。
■コンクリートかぶり厚を適切に確保【鉄筋コンクリートの劣化対策】
年月が経ち、コンクリートの中性化が極度に進むと、鉄筋は錆びやすくなります。鉄筋が錆びると鉄筋の体積が増すため、コンクリートを外側に押し出して、構造体の破損を招き、耐力の低下につながります。これを防ぐために、鉄筋を包むコンクリートの厚さ「かぶり厚」を確保する事が重要となります。各部位のかぶり厚については、右表の設計かぶり厚を設定し、コンクリートの劣化対策にしっかりと対応しています。
■部位別かぶり厚
土に接しない部分 | 部位 | 設計かぶり厚 | |
---|---|---|---|
屋根スラブ・床スラブ | 屋内 | 30mm | |
屋外 | 40mm | ||
非耐力壁 | 屋内 | 30mm | |
屋外 | 40mm(30mm) | ||
柱・梁・耐力壁 | 屋内 | 40mm | |
屋外 | 50mm(40mm) | ||
擁壁 | 50mm | ||
土に接する部分 | 柱・梁・床スラブ・壁 | 50mm | |
基礎・擁壁 | 70mm |
※( )はタイル貼等の耐久性上有効な仕上げがある場合。
※設計かぶり厚とは、最小かぶり厚さに10mm増した寸法となります。
■柱のせん断補強、溶接閉鎖型筋を採用。
建物を支える柱には、帯筋の継ぎ目を溶接した「溶接閉鎖型筋」を採用しています。コンクリートの拘束力を高め、地震などで主筋が折れ曲がり柱が崩壊することを防ぎます。
※柱と基礎梁の接合部は除きます。
※物件によって詳細は異なります。
■コンクリート外壁部に誘発目地を用意【外壁コンクリートの劣化対策】
コンクリート外壁部に予め誘発目地を入れ、コンクリートのひび割れが発生しても、その部分にひび割れが集まる様にしています。これにより、ひび割れの進行を目地部分に留め、ひび割れの進行によるコンクリートの剥落といった損傷を防ぎます。誘発目地には、雨水の侵入を防ぐためのシーリング処理をしています。
防災
火災や地震など、万一の災害から住まわれる方々の命と財産を守るための安全対策をしっかりと講じ、安心の暮らしを支えます。
共用部の防災対策
■玄関ドアに対震枠を採用
過去の大震災時には、建物の躯体が変形してドアが開かなくなり、閉じ込められるケースが続出しました。そのような事態を防ぐため、ドア本体と枠の間に適切なクリアランスを設けています。大地震によって、ドア枠が変形しても、このクリアランスによりドアの開閉が可能となり、避難路を確保する事が可能です。
■地震管制装置付エレベーター
エレベーターの運行に支障をきたす規模の地震を感知したとき、ただちに最寄りの階に非常停止する地震管制装置付エレベーターを採用しています。
■給水管・ガス管の破損を防ぐポリエチレン管を採用
建物内には様々な配管があります。地震の揺れによって、それらが破損するという二次災害を防ぐため、建物全体の給水管(各戸メーターより住戸側は除く)、屋外埋設部分のガス管に関しては、ポリエチレン管を採用しています。
※共用散水栓系統・一部配管等は除きます。
■防災倉庫
災害時に備え、非常用トイレや防災備品類を収納した防災倉庫を設置しています。
■ガス漏れを感知して遮断する「マイコンメーター」
マイコンメーター
(メーターボックス内部設置︓参考写真)
住戸内でのガス流量を監視し、一定量以上の流量を感知すると、ガス供給を遮断する「マイコンメーター」を設置。震度5強相当以上の揺れを感知した場合にも、ガス供給を遮断する安心機能を採用しました。
※ガス漏れなどの確認が難しい場合などは、ガス会社にご連絡ください。
■いち早く通報する「熱感知器」
熱感知器(参考写真)
各居室、キッチンなどには「熱感知器」を設置。万一の火災の場合、セキュリティインターホンから警報と音声合成音でお住まいの方にお知らせ。さらに管理員室および24時間体制で監視している警備会社に自動通報します。
- 今までにない感動を。新しい価値を創造する、東レ建設。